理想的な放射線対策は被災地を一番クリーンにすることである

原発事故後、子どもたちの健康を心配して、長年住み慣れたであろう故郷を後にする人たちが続出しているが、これは致し方のない話である。しかし、転校した先で被災地出身の子どもがいじめに遭うなど、とんでもない事態が起こっている。これはもちろん放射能や放射線に無知であるが故の理不尽な仕打ちである。だから、日本全国の人に、放射能や放射線についての啓蒙活動を行うことが、放射線対策の一環として非常に大切であることを痛感する。

仮に、放射性物質を体内に取り込んだ人がいたとしても、その人が周囲に危険な放射線を撒き散らす危険は極めて低い。なぜなら、放射線のうち最もエネルギーが高くて危険なアルファ線は薄紙一枚で止まってしまうぐらい透過力が低く、電子が正体のベータ線も、体外に出る前にそのほとんどが吸収されてしまうからだ。最も透過力が大きい電磁波が正体のガンマ線にしても、その透過力が大きいが故に、人体に及ぼす影響は他の放射線に比して小さいと言える。体内被曝が体外被曝よりも深刻と言われるのもこのような理由からである。

しかし一方で、自身が居住する地域の放射能汚染を懸念しつつも、経済的な理由で転出できない人が多数いる現実もある。だから、理想的な放射線対策は、被災地を最もクリーンにすることである。ただ、除染作業によって発生した放射性物質には十万年以上の隔離が必要だが、千年王国ですら人類史上稀である現実がある。それでも、究極的にはその十万年にも及ぶ隔離技術を確立することが、被災地を最もクリーンにする放射線対策に不可欠であることが理解できるだろう。

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